低圧系統用蓄電池の主な収益源は「需給調整市場」です。充放電が実際に発動されなくても、「いつでも対応できる状態で待機している」だけで報酬(ΔkW価値:待機報酬)が発生する仕組みです。このページでは、需給調整市場の基本から、2026年度の制度改定への対応まで、収益の仕組みを詳しく解説します。
なぜ蓄電池が収益を生むのか
電力は「作った瞬間に使われる」特殊なエネルギーであり、常に発電量と消費量を一致させる必要があります。しかし太陽光・風力などの再生可能エネルギーは天候によって出力が変動するため、電力系統の需給バランスが崩れやすくなっています。
需給バランスが少しでも崩れると電力の周波数が変動し、機器の故障リスクが高まります。大きく崩れると停電が発生する可能性もあります。そのため一般送配電事業者(TSO)は、常に「調整力」と呼ばれる緊急時に充放電できる能力を確保しておく必要があります。
この調整力を市場で調達する仕組みが「需給調整市場」であり、蓄電池はこの市場に最適な設備として位置づけられています。
需給調整市場の基本構造
2種類の対価
需給調整市場では、以下の2種類の対価が支払われます。
ΔkW価値(待機報酬) 調整力として待機しているだけで発生する報酬です。入札が落札されれば、実際に充放電が発動されなくても支払われます。これが低圧系統用蓄電池の主要な収益源です。
kWh価値(発動報酬) 実際に充放電が指示(発動)された場合に、充放電した電力量に対して支払われる報酬です。一次調整力(オフライン)の場合は、kWh精算は市場上では原則なく、インバランス精算で対応されます。
低圧系統用蓄電池が参加する「一次調整力(オフライン)」
低圧系統用蓄電池が主に参加する区分は「一次調整力(オフライン)」です。
特徴
- 応動時間:30秒以内
- 継続時間:設定なし
- 監視方法:リアルタイム常時監視なし(事後データ提出方式)
- 専用線(オンライン接続)不要
通常の系統用蓄電池は常時通信線が必要ですが、一次調整力(オフライン)は事後的なデータ提出で参加できるため、小規模な蓄電池でも参入しやすい区分です。これが49.9kW規模の低圧蓄電池に適した参加形態です。
2026年度の制度改定への対応
2026年度から需給調整市場の「前日取引化」が開始されます。これは、これまで週次・月次で行っていた入札が「前日」に変わる改定で、より市場実態に即した調達方式への移行を意味します。
REVIX JAPANの対応状況
REVIX JAPANが提供する低圧系統用蓄電池は、2026年度以降の制度改定に対応したEMSと運用体制を整備しています。前日取引化後も、一次調整力(オフライン)を中心とした運用を維持し、待機報酬の確保を目指します(市場価格・落札率により変動します)。
A種・B種の入札区分
需給調整市場には入札区分としてA種(減価償却済み電源)とB種(減価償却前電源)があります。低圧系統用蓄電池は導入初期にB種として固定費回収型の入札が可能であり、設備コストの回収を組み込んだ収益設計が可能です(詳細は制度・条件による)。
24時間運用スケジュール(イメージ)
一次調整力(オフライン)を主体とした24時間運用のイメージは以下の通りです。
| 時間帯 | 運用 |
|---|---|
| 0〜24時 | 一次調整力オフライン(前日商品・30分コマ)を基本に運用 |
| 一部コマ | SOC(充電残量)維持のための充電 |
需給調整市場を主体とする理由は、待機報酬中心で収益見通しを立てやすく、複雑な入札更新やSOC管理の負荷が比較的低い点にあります。卸電力市場(アービトラージ)は、価格差が大きい局面や出力制御エリアでの補完的活用を検討します。
収益に影響する主な要因
収益は以下の要因によって変動します。あらかじめご理解ください。
- 落札率:入札した価格が市場価格より高ければ落札されず、報酬が発生しません
- 稼働率・可用性:故障・点検で稼働していない時間は報酬が発生しません
- 市場価格の変動:需給調整市場の価格は制度改定・競争状況により変わります
- 上限価格:2026年度の前日取引化後、一次・二次①の上限価格は19.51円→15円/ΔkW・30分へ改定予定(さらに競争環境に応じて段階的な引き下げが検討されています)
まとめ:低圧系統用蓄電池の収益の特徴
低圧系統用蓄電池の収益は「電力系統の安定化に貢献することで得られる報酬」です。「待機報酬」という仕組みにより、電気を売らなくても収益が発生する点が大きな特徴です。一方で市場参加型であるため、収益は確約されるものではなく、市場価格・落札率・稼働率に依存します。
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